新型ハスラーは欠点を克服したのか

2019/10:発行



はじめに


2014年1月に発売されて、かれこれ6年近く経つスズキハスラー。

そのハスラーが来年いよいよ新型に移行する様です。


東京モーターショー用に発表されたハスラーコンセプト

ご存知の様に幣サイトでは、読書の方々のご協力も頂きながら、ハスラーの問題点を20点ほど(心を鬼にして)挙げさせて頂きました。

はたしてこれらの問題点は、新型ハスラーにおいて解消されているのでしょうか?

少ないながらも公開された数枚の写真から、その対策度合いを勝手に検証してみたいと思います。


1位:乗り心地が最悪


本書がハスラーにおける一番の問題として取り上げたのは、そのゴツゴツした乗り心地です。

この原因は、恐らく60%の扁平タイヤとエコタイヤのせいだと結論付けたのですが、はたしてそれは改善されたのでしょうか?


現行ハスラー(左)と新型ハスラー(右)

正確な所は不明ですが、写真を見比べる限りどうやらタイヤのサイズは同じ様に見えます。

項目\車種 ワゴンR
ハスラー
スティングレー
ジムニー
重量 790kg (-10kg) 800kg 820kg (+20kg) 990kg (190kg)
最低地上高 150mm (-30mm)
FF、4WD共通
180mm (FF)
175mm (4WD)
155mm (+25mm) 200mm (+20mm)
タイヤサイズ 155/65R14 165/60R15 165/55R15 175/80R16
空気圧 280kPa 250kPa 280kPa 140kPa / 180kPa
タイヤ外径 557mm (-22mm) 579mm 563mm (+16mm) 686mm (+107mm)
注:カッコ内の数値はハスラーとの差分を示す。

という事は、オフロードを意識した外見とは異なり、相変わらずタイヤの扁平率は60%のままかもしれません。

また燃費を良くするため、いつもの通りシリカをたっぷり充填した、転がり抵抗は少ないものの跳ね易いエコタイヤを採用しているかもしれません。


ミシュランのエコタイヤの説明図(ヒステリシスロスが小さいとは跳ね易い事を指す)

となるとせめてエコタイヤの採用だけは止めてほしいのですが、どうなるでしょう。


2位:横揺れが大きい


本書が次に気になったのは、踏切の様に高低差のある道を斜め横切った場合に発生する大きな横揺れです。

この原因はロールを抑えるために安易に追加されたスタビライザーによるものと結論付けたのですが、はたして新型ハスラーにもスタビライザーは付加されるのでしょうか?


ハスラーの前輪に付けられたスタビラーザーとリンク

軽自動車でロールするほどの速度で旋回するわけでもなく、ましてやロールする事で(怖くて)却って速度を落とす事を考えれば、スタビライザー無しを選択してほしいものです。

そうすれば、悪路でも断然乗り心地が良くなりますし、高低差のある道を斜め横切ってもユサユサ揺さぶられる事もありません。


3位:アイドリングストップ機構が最悪


アイドリングストップ機構については、現行ハスラーにおいて何度かマイナーチェンジされてきましたので、さすがにもう問題はないでしょう。(多分)


最新のアイドリングストップ機構

という事で、勝手に対策済みにしたいと思います。


4位:信号機が見えない


ご存知かもしれませが、現行ハスラーのフロントウィンドウはSUVテイストを醸し出すため傾斜がきつく、且つ上下方向が狭いため、交差点の先頭に停まると、前方の信号機が(屋根に遮られて)見えないというかなり厄介な問題がありました。


ハスラーの視界 (青線)はワゴンR (赤線)より狭い

その観点から、新旧ハスラーのサイドビューを見比べてみます。


新型ハスラー(左)と現行ハスラー(右)のサイドビュー

するとどうでしょう。

上の写真の様に新型ハスラーの方が車高が高くて、窓も上下方向に若干広くなっている様に見えます。

試しに車両寸法を比べてみると、確かに新型の方が15mmも車高が高くなっているではありませんか。

サイズ/モデル 新型ハスラー 現行ハスラー
全長 3395mm 3395mm
全幅 1475mm 1475mm
全高 1680mm 1665mm

やるじゃあーりませんか、鈴木さん。

たった15mmとは言え、(恐らくデザイン上の都合なのでしょうが)多少なりとも上方の視界を改善してくれた事は好感が持てます。

という訳で、(たった15mmながら)気持ち良く対策済みとさせて頂きます。


5位:斜め後方に死角あり


続いては、斜め後方の視界です。

現行ハスラーには下の写真の様に幅広のCピラーがあって、斜め後方の視界を大幅に妨げていました。


現行ハスラーの邪魔なCピラー

実際この電信柱が隠れるほどに太いCピーラーのおかげで、どれだけ多くの方がテールランプを電柱やポールにぶつけた事でしょうか。

ですが、新型ハスラーはリアにクオーターガラスをはめ込んで、斜め後方の視界を大幅に改善しています。


新型ハスラーに追加されたリアクオーターウィンドウ

これはもう快挙と言ってもよいのではないでしょうか?

これもデザイン上の都合で追加されたのかもしれませんが、本書としては手放しで喜びたいと思います。



絶賛の嵐はまだ鳴り止みません。

本書がもっと評価したいのが、これです。

現行ハスラーのリアウィンドウは、外から見るとリアゲート一杯に広がっている様に見えます。


ところが内側から見ると、リアウィンドウだと思ったガラス面の大半は支柱と窓枠で、実際に後方が見えるのは上の写真の赤線の内側だけなのです。


直近の電信柱が丸々1本隠れるハスラーのCピラー

窓枠を黒く塗って窓を大きく見せる(ピラーを細く見せる)のは良くある手ですが、ハスラーの場合さらにそれをスモークガラスで覆って窓に見せかけるというトリックを使っているのです。

ところが新型ハスラーのリアウィンドウにおいては、きちんと実際の窓枠を見せて、且つリアウィンドウは全域素通しなのです。


新型ハスラーに追加されたリアクオーターウィンドウ

やればできるじゃありませんか、鈴木さん。

ここまでやって頂ければテールランプの交換件数も大幅に減るでしょうし、現行ハスラーのユーザーも次も新型ハスラーにしようと思うのは間違いないでしょう。

という訳で、気持良くこれで終わりにしたい所ですが、ついでですので6位以降も見ておきましょう。


6位:スイッチが見えない


続いては運転席右下の操作スイッチが、運転中のドライバーから全く見えない件です。


運転席から視認できないスイッチ達

ハスラーに乗った事の無い方でも、下の写真のハンドル右下部を見て頂ければ、どんなに見難くくて押し難い位置にスイッチがあるか分かって頂けるでしょう。


ハスラーのインストルメントパネルとスイッチ達(黄色枠部)

場所がハンドルの右下であるだけで十分見難いにも関わらず、ご丁寧な事にスイッチの上にヒサシまで設けて更に見難くしているのですから感心してしまいます。

では新型ハスラーはどうなっているでしょうか?



生憎右下にスイッチパネルが見えますが、よもや運転中に操作するスイッチでない事を願うばかりです。

という訳で本件の評価結果は保留とさせて頂きます。

あの右下のスイッチは何なのでしょうか?


7位:温調パネルが最悪


続いては、泣く子も黙る温調パネルです。

この現行ハスラーの温調パネルは、とにかく酷(ひど)の一言でした。


現行ハスラーの温調パネル

言い出すと切りが無いのですが、パネルをじっくり見ないと何をどう操作して良いかさっぱり分からないボタン配置で、一部のボタンやLEDはシフトノブに隠れて見えないし、ボタンの配列から言ってどうも左ハンドル用の温調パネルではないかと思わせる様な代物でした。

では新型はどうなっているかと見てみると、レバーは無いものの、一昔前の温調パネルの様に横長になっています。



またシフトレバー根本より上部にありますので、運転中にシフトレバーに隠れて見えなくなる事も無さそうです。

詳しくは現物を見るしかありませんが、以前が余りに酷かったので、それより悪くなる事は決してないでしょう。

と言う訳で、本件はこれだけで解決済みにしたいと思います。

8位:マニュアルが酷 (ひど)過ぎると9位:燃費が悪いは現物確認が必要ですのでスキップして、続いて第10位です。


10位:むかつくマルチインフォメーションディスプレイ


第10位は、目障り極まりない、且つドライバーを苛つかせるとしか思えない、むかつくマルチインフォメーションディスプレイです。


スピードメータの下の特等席にあるマルチインフォメーションディスプレイ

これについても不満を言い出したら切りがないので止めときますが、以下の写真を見る限り新型ハスラーではどうも廃止された様に見えます。


廃止された事を願うマルチインフォメーションディスプレイ(新型ハスラーの計器盤)

もしまだ生き残っていたら、二度と見えない様にガムテープでも貼りたい所です。


11位:タイヤが高い


これもクルマのランニングコストに絡む、かなり重要な問題です。

現行ハスラーに使われている165/60R15というタイヤは、ハスラー以外にほとんど採用例が無い事から恐ろしく値段が高いのです。


現行ハスラーの標準タイヤである165/60R15のダンロップエナセーブEC300+

一般的な軽自動車のタイヤは、メーカーやブランドを気にしなければ1本2~3千円で購入できるのに対して、現行ハスラーのタイヤは1本6,000円~12,000円もするのです。

燃費を気にして走っていたら、タイヤを交換した途端にその努力が水の泡になるのです。

既にお伝えした様に、写真で見る限り新型ハスラーも同じサイズに見えるのですが、どうなるのでしょうか?

市販車は、何とか一般的なサイズのタイヤを履いてデビューしてほしいものです。


12位: フロントウィンドウに流れ落ちる水


ご存知かもしれませんが、現行ハスラーを雨の日に走らせて強めにブレーキを掛けると、屋根に溜まった水が滝の様に(とまでは言いませんが)フロントウィンドウに流れて落ちてきます。

この原因ですが、ハスラーの屋根がほぼフラットで、左右方向に傾斜がないための様に思われます。




現行ハスラーの屋根は前後左右にほぼフラット

これに対して新型ハスラーは、明らかに屋根の中央部が盛り上がって左右に下りの傾斜が付いていますので、本問題はほぼ解決していると思って間違いないでしょう。


新型ハスラーのルーフ中央部は盛り上がっており、左右に下りの勾配が付いている

という訳で、これも対策済みと扱います。

13位以降は現物が無いと確認できないため、今後情報を入手できたら追記したいと思います。


まとめ


さて、最後にまとめです。

新型ハスラーの対策済みに関する、本書の評価結果は以下の通りです。

現行ハスラーの問題点 対策
1位:乗り心地が最悪
2位:横揺れが大きい
3位:アイドリングストップ機構が最悪 OK
4位:信号機が見えない OK
5位:斜め後方に死角あり OK
6位:スイッチが見えない
7位:温調パネルが最悪 OK
8位:マニュアルが酷 (ひど)過ぎる
9位:燃費が悪い
10位:むかつくマルチインフォメーションディスプレイ
11位:タイヤが高い
12位: フロントウィンドウに流れ落ちる水 OK
13位: ドア開閉の怪
14位:ACCに戻せないエンジンスイッチ
15位:何とかならないかドア閉時の爆風
16位:見つからない市販リアワイパー
17位:後席の背もたれが倒せない
18位:ほのぼのクラクション
19位:どでかいヘッドレスト
20位:遥かなるサンバイザーとバニティーミラー

後方視界が大幅に改善されてすっかり浮かれていたのですが、現在公表されている情報から確認できる事はこの程度でした。

早く実物を見たいものです。





新型ハスラーは欠点を克服したのか




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