小学生でも分かるトルクと馬力の話
(本当に早いクルマとは?)

2010/01: 発行
2017/04: 誤記修正

第7章:トルクに関する誤解
(4気筒と6気筒エンジンではどちらが優れているのか?)



7-4. ダウンサイジング


そうこう言ってる間に、少気筒エンジンがかなり出回ってきました。

下のBMW 1シリーズは従来4気筒1600㏄がメインエンジンだったのですが、今では3気筒1500ccエンジンがメインです。


4気筒1600㏄ターボから3気筒1500㏄ターボになったBMW 118i

下の比較表をご覧頂きます様に、新旧の差は気筒数と排気量と燃費だけで、それ以外は馬力もトルクも価格まで一緒なのには驚いてしまいます。


さらに都合の良い事に、この118iの外観は新旧全く同じです。

ですので、まさにこの2台のクルマにおいて、3気筒は振動が多いと言い張る無知な自動車評論家達を一同に集めて、是非4気筒か3気筒かの気筒数当てクイズをやってほしいものです。

その結果を見ながら、その昔BMWの6気筒エンジンをシルキーシックスと褒めたたえた根拠を尋ねてみたいものです。

BMWの公式見解は、1気筒あたり500㏄が最も効率的だというのに対して、本サイトも100%同意です。

一方日本でも、従来4気筒2,000㏄エンジンだったホンダのステップワゴンに3気筒4気筒1500㏄ターボが搭載されました。


3気筒4気筒1,500㏄ターボ搭載ステップワゴン

誤記訂正
2017/04

上記記述におきまして、以下の誤記が有りましたので、お詫びして訂正致します。

誤:ホンダのステップワゴンに3気筒1500㏄ターボが搭載されました。

正:ホンダのステップワゴンに4気筒1500㏄ターボが搭載されました。

なおこの誤記によって図らずも気付いたのですが、新型ステップワゴンが低迷している理由は、1500ccでありながら4気筒にした事が大きく影響しているかもしれません。

また、従来V型6気筒エンジンをステータスシンボルにしていたあのクラウンアスリートにも、4気筒の2,000㏄ターボが搭載されました。


4気筒2,000㏄ターボ搭載クラウンアスリート

これはターボを搭載して排気量も抑えている事から、一般的にはダウンサイジングと呼ばれていますが、こと気筒数削減に関してはプロパーセレクション(Proper selection)と呼びたいくらいです。

時代は少気筒エンジンで、(時代遅れの無知な自動車評論家が何と言おうが)今後このトレンドが覆される事は決してないでしょう。




7-5. ダウンサイジングと燃費

2016/6:追記

ところで、ダウンサイジングの主目的が燃費向上である事はどなたもご存じだと思うのですが、なぜ燃費が向上するかご存じでしょうか?

先に結論をお伝えしますと、ダウンサイジングによって燃費が良くなるのは、エンジンが小さくなる(気筒数や補機類を減らせる)事によって重量や、吸気抵抗、摺動抵抗が低下するためです。

一部には、ターボエンジンだと本来排気するエネルギーを使って空気を圧縮するから燃焼効率が上がり燃費が良くなると思われている方がいらっしゃいますが、これは全くの誤解です。


ターボエンジンは空気を圧縮して詰め込んだ分燃料も多く噴射している

何故ならば、増えた空気の分だけ、燃料を多く噴射して消費しているからです。

空気だけ多くエンジンに取り込んで、それだけで出力がアップする夢の様な内燃機関は存在しませんし、更に空燃比が低下すれば最悪着火しない可能すらあります。

ですので、例えば2000ccの自然吸気エンジンと1500ccの過給エンジンにおいて、同じ150馬力を出力するには、理論上同じだけの燃料が必要なのです。

もっと正確にいうと、圧縮率を高めた事によりシリンダー内の温度が上昇するため、ターボ車の場合自然吸気エンジン以上にガソリンを噴射して、シリンダーの温度を下げているのです。

実際ダウンサイジングのエンジンを搭載しているからと言っても、とてつもなく燃費が良くなっている訳でもない事で分かって頂けるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、ダウンサイジングターボシステムによって燃費が良くなる理由は、(ターボのお蔭ではなく)重量と各種抵抗の軽減という極めて地道な取り組みの結果によるものなのです。

なおダウンサイジングエンジンのもう一つのメリットとして、低速トルクアップがありますので、アクセルを踏む量が減って、もしかしたら実用燃費にも多少貢献しているかもしれません。





7-4. ダウンサイジング/第7章:トルクに関する誤解





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